コラム

「ERSによるEC課題解決」について
2025/05/07

ERSが提供するソリューションは、主にEC(電子商取引)領域における様々な顧客の課題解決に貢献しています。
具体的には、以下のような顧客の課題に対応しています。

  • 既存システムの限界とカスタマイズコストの高さ ショッピングカートシステムに限界を感じているものの、パッケージカスタマイズにコストがかかり過ぎるといった課題を持つビジネスの解決に貢献しています。
  • 難易度の高いECシステムの実現 こだわりの施策、精密さを求められる業務要件、レガシーシステムとの連携、単純な物販の範疇にないサービスなど、難易度の高いECシステムを最小限のコストで実現することに貢献しています。
  • 多様な業種・販売形態への対応 菓子製造・販売、天然水製造・販売、ギフト通販、化粧品やオーラルケアのリピート・定期購入通販、出版・教育事業、営業用カタログサイトなど、多様な業種や販売形態の顧客に利用されており、それぞれのニーズに合わせたソリューションを提供しています。
  • セキュリティや運用に関する課題 Lexicaをご利用のお客様(加盟店)は、クレジットカード・セキュリティガイドラインなどの対策や考え方について不明な点があれば、サポート窓口に相談することができます。

ERSは、独自のECパッケージであるLexicaの開発・販売を行うスペシャリスト型のソフトウェアベンダーとして、豊富な開発経験と独創的な設計により、様々な課題に対する解決方法を提供しています。Lexicaは、オールインワンのECパッケージとしても、ヘッドレスECとしても利用可能であり、考え抜いた施策を自分自身で実現できることが特徴です。

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・・・以上が、流行りの生成AI(NotebookLM)がまとめてくれたERSとそのサービスについての簡単な説明です。

本編


上記のサマリー生成にあたり、情報ソースとしては弊社ウェブサイトのみ指定しています。「ERSによるEC課題解決」というタイトルもこの生成されたものです。

フラットによくまとめてくれたという印象です。もしかしたら弊社のウェブサイトは1ページあれば十分だったのかも知れない、とさえ思ってしまいました。開発業務の忙しい中で主に筆者が結構がんばってせっせと原稿を用意したものなのですが・・・。

とは言え、では本当にこれだけの情報で良かったのか?と言われるとやはりそうは思いません。

ちょうど最近、何でもAIで簡単にサマリーしてしまってタイパが良い、という話ではないなと感じる出来事が個人的にありました。

というのも、ちょっとした家庭の事情(?)で、哲学について少し調べなければいけないということがあったのです。ある思想家がお題として指定されており、まず、「知っておきたい思想家100人」といったムック本の該当ページを読みます。見開きの2ページにイラストも付けて思想のポイント、名言、生涯の略年表がまとめてあります。これがよく出来ていまして、ペラペラとめくるだけで難解に思われる古今東西のさまざまな思想・哲学が「なるほど、なるほど」とわかります。

ですが、指定のお題には続きがあり、そのムック本と対になる、一人ひとりの思想家についての解説本(文庫本)を1冊、続けて読まなければなりません。こちらは数百ページありますし、文字も小さく書かれていて、言葉遣いも難解さを増します。個人的には、求められるレベルが1つ上がるというより、7つくらい上がった感覚です。とは言え入門書ですから、素人でも読みやすいように、その思想家の著作のみでなく、当時の世相や影響を与えた先人の解説なども含めて解説されており、休日に教養人の気分を満喫するのにうってつけという感じで、読み始めると面白く一気に読み進めました。ムック本にもWikpediaのその思想家のページにも書いていなかったいろいろな情報を得て、その思想が単なるお題目ではなく、古代・近代・現代と連綿とつながる思想のコンテキストの中で練り上げられた生きた理論なのだという実感が得られたように思いました。ムック本とWikipediaの段階でも興味深いものはありましたが、その知識の骨格のようなものが組み上げられ補強されていくような感覚です。

しかし課題はこれで終わりではなく、最後にその思想家本人のいずれかの著作を読まなければなりません。選んだものはちょっと汚いタイトルの小説ですが内容はさほど退廃的ではありません。ノーベル文学賞が送られることになった(辞退したが)その小説は、思想家本人が自らの思想をわかりやすく表現するために著したものだそうです。架空の主人公の日記の形式を取っていますが、この主人公はどこか思想家本人を思わせます。残念ながら、この本は分厚くて、私の休日だけでは読破できなかったもので拾い読みになってはしまったのですが、それでも、結局はこの小説こそが今回読んだものの中で間違いなくもっとも面白いものでした。もっとも難解ではありましたし、思想として何の説明になっているのかよくわからない場面も多いのですが、心のより深いところに響く感動や共感があります。難解でわからない部分が多いとしても、思想を単なる知識としてではなく、血の通った生身の人間の言葉として受け取ることが出来たように思いました。

概要として簡単に言葉に出来る部分は、もちろん重要であり、効率よく知識を得るために役立ちます。しかし、そうした情報からはおそらく、洞察を得ることは出来ません。「○は○である」といった公式のような結論の列挙だけを知識として得ても、そのままでは価値がありません。その知識は活用されて初めて価値をもつのですが、簡単にまとめられる知識をそのまま当てはめて活用できる場面など生活においてそうそう現れるものではないでしょう。人生の困難は千差万別です。本当に大事な局面で活用できる知識は「そのまま使える」といったインスタントなものではなく、より深い洞察、簡単な言葉にすることの難しい思考のプロセスを踏まえた知識であろうと思われます。


さて、とは言え、上記のAIがまとめてくれたサマリーはそれはそれでインスタントにERSとLexicaについて把握できるようになっていますし、見たところ目立つ間違いもなさそうです(NotebookLMはハルシネーションが少ないのが特徴だそうで)から、ご参考にしていただければ幸いです。

そして、上記に紹介した「哲学の宿題体験」は、もうひとつ貴重な示唆を提示しています。

それはつまり、簡単に定型に当てはめてサマリーした答えには相応の役割・効用があり、逆に言えばそれ以上を期待は出来ない、という一般化です。

これはECパッケージにも当てはまることでしょう。クリックひとつで出来ます!というように機能を単純化したものは便利でインスタントな成果を得るには適しています。しかし、ユーザーがより深い体験を求めるならば(言い換えれば、顧客により深い顧客体験を提供しようとするならば)、より深い機能、不確実さへの洞察に応える柔軟性と拡張性が必要です。その要求に応えるシステムは、相応の洞察をもって設計されていなければなりません。

しかし洞察というものは難しいものです。単純な帰納や演繹ではなく、もちろん予定でも予想でもありません。ルーチンやテンプレートに頼りきりでは論外ですし、マジメに取り組んだとしても古典的な設計の手順を守って仕事を繰り返しているだけで身に着いたりはしません。エンジニアがシステムの効率だけをいくら考えてもECパッケージとしての洞察は得られないでしょう。関連する業務、法令、社会状況、その変遷、多くの知識の関係性に目を向け、必要なフィーチャーは何かという結論を導く必要があります。

そんなECパッケージがあるのだろうか?と思われた方は、ぜひLexicaをご検討ください。

ぱっと見ると「多すぎて取っつきにくい」と評されることもあるメニュー群をよく見れば、それが「カートシステム」といった次元を遥かに超えてECとしての洞察に満ちているということにお気づきいただけるのではないか、と思っております。