コラム
以前、「脱カスタマイズ」というテーマでコラムを掲載させていただきました。
https://www.eretailing.systems/post/column-decustomize
ですが、最近ERSでは、脱「脱カスタマイズ」ということについて考えています。
「脱カスタマイズ」について
このフレーズは、Lexicaをそろそろ展示会でアピールしようと検討し始めた2025年に、社内でポスターやフライヤーなどのキャッチコピーを検討している中で出てきたものでした。
LexicaはERS設立以来、直販案件においてはすべて標準導入にこだわり続けており、そのためにLexicaはパッケージではなく、「プラットフォーム」と名乗っています。
請負契約を伴う個別カスタマイズの弊害については、脱カスタマイズの記事で述べているので繰り返しませんが、この、「個別カスタマイズ開発をしない」という我々のポリシーを表現するひと言がこの「脱カスタマイズ」というわけです。
ただ、これはこれで、カスタマイズできない、すなわち「個別性の高いビジネス要件には応えられない」という誤解を受けてしまうのでは・・・と最近、心配になってきた次第です。
そもそも、「カスタマイズ」とは?
カスタマイズという言葉については、かつて長くECパッケージベンダーに身を置いていた身としてはどうしても、すなわち「個別請負開発により、パッケージのソースコードを書き換えて個別バージョンを派生させて発注企業であるEC事業者に納品すること」と考えてしまいます。これは私だけではなく、業界の少なからずの・・・とくにベテランの方は同じ感覚ではないかなと思います。
ですが、この言葉の原義は単に、利用者の好みに合わせて特化・調整をするということのはずです。
そういった意味では、Lexicaはむしろ「めちゃくちゃカスマイズができる」ということになりますし、我々はいつも、ユーザーの皆様にはもっと積極的にカスタマイズをしていただきたいとさえ思っています。
ですので、「脱カスタマイズ」はちょっとニュアンスが違うなと思い始めた次第です。
ゼロカスタマイズ
そこで新たなワードとして社内で呻吟した結果、生み出されたワードが「ゼロカスタマイズ」です。
これもまた、単純な言葉の組み合わせではありますが、現時点(2026年5月)でGoogle検索する限り、結果はおもにモビルスーツや車、メンズ系ギアなどに関するものばかりで(言葉としてカッコいいですからね)、IT関連の話がヒットしている様子はありません。ですので、もしもこのワードがITのメソドロジーとしてバズることがありましたら、今度は自信をもって我々のアイデアだと主張してみたいところです(おそらくしませんけども)。
「脱」と言う修飾には「積極的に無くす、やめる」という動詞的な意味があると思いますが、「ゼロ」には、「量として無い」という結果としての状態を表すニュアンスがあると思います。
つまり、「個別カスタマイズをする必要がないからしなくていい」というLexicaの性質、あるいはERSの目指すプロダクト像にはよりマッチしていると考えています。
そしてまた、ユーザー自身が、自分のビジネスや習慣に合うようにシステムをカスタマイズをすること自体をERSが否定的に見ているわけではないというイメージもこの言葉でお伝えできればと思っています。
ウェブサイトに掲載の事例でもおわかりいただけると思うのですが、ERSはこれまでにも、かなり固有性の高いビジネスを行われているお客様にLexicaを提供しています。まさに「カスタマイズ」と言えることを、「個別請負開発ゼロで」実現しようということがERSのアプローチです。
Lexcaのカスタマイズ機能は、未知のフォーマットのデータインポート、未知の機能の実装といったショップのビジネスルール・ロジックレベルのものから、ユーザー個人単位での検索フォームの構成変更やデータ入力時のサジェスト設定などまで、様々なレベル・スコープで個別要件に応えます。
「ゼロカスタマイズ」で皆様もぜひ、「要件定義時に言ってしまったひとこと」にロックインされないEC運用を実現ください。
おまけ:ところで、ECはいつから「プラットフォーム」になった?
EC業界にある程度以上の長い期間関わっていらっしゃる皆様は、かつては「ECパッケージ」と名乗り、呼ばれていたものの多くがいつのまにか「ECプラットフォーム」に置き換わっているという事実に気づかれているでしょうか?
2010年代前半は、「ECパッケージ」あるいは「カートASP」といった表現が、ECを構築するためのツールの一般的な呼称でした。2010年代の中頃から、徐々に「プラットフォーム」という表現が増えています。(ソースは私の記憶+ChatGPTです。お手軽ですみません。)
さて、ERSの設立は2017年5月ですが、実はLexicaはそれよりも古い歴史があります。
ソースコードの履歴管理ツール(Git)の記録を見ると、初期のコミットは2015年まで遡ります。この時点では「Logica E-Retailing Platform」という名称でして、「Logica」は商標取得が出来なかったため「Lexica」に改称して販売することになりましたが、プラットフォームという名称はすでに利用していました。
この言葉を選んだのは私なので覚えていますが、もともと某ECパッケージベンダーの開発責任者だったこともあり、当初「ECパッケージ」と名乗ろうとしたものの、「なんだかこの"ECパッケージ"という言葉がそもそも古臭いだよなあ、いかにも請負でカスタマイズしそうなイメージあるし」と悩みまして、海外視察時に現地でとても人気のあったMagento(後のAdobe Commerce)など一部のECサービスが名乗っていた「Platform」という言葉を選びました。
相談をした業界の大先輩には「お客さんは意味わからないって思うんじゃないの?」と心配されましたが、単語自体はよく知られているものだから大丈夫でしょうと押し通した覚えがあります。
また、2017年のERS設立以前にも実は(後の)Lexicaは販売されています。ERSの設立時点で、Lexicaの本体である「N2Core」と我々が呼ぶフレームワークはすでにバージョンとして”5.8”を数えていました。
この、いわばLexicaのプロトタイプによるビジネスの検証をしていたとも言える頃にはまだ個別カスタマイズを若干ながら行っていました。ありがたいことに、その中には未だにご利用いただいているお客様もいらっしゃいます。が、ERSとしてのビジネスをどういう方向で進めていくかを考えた時に、「個別カスタマイズを減らす」ではいずれズルズルとカスタマイズの範囲が広がり、労働集約型の開発に陥ってしまうと考え、カスマイズは「完全にゼロ」にしなければダメだと考えました。そこで、ERSとしての「標準機能でやりきる」というポリシーが確定した言えます。
さて、国内でECのサービスが「プラットフォーム」を名乗りはじめる最古の事例は、(またもや手抜きですみませんが)ChatGPTによれば、2016年だそうです。
つまりここで何が言いたいのかと申しますと、EC機能をパッケージソフトとして販売しするのではなく、またお仕着せのASPサービスとして販売するのでもなく、どんなビジネスでも対応できるSaaS基盤として提供するという意味合いでの「ECプラットフォーム」というアイデア、国内においてはLexicaがオリジナルと言っても過言ではないのではないでしょうか!?ということです。
もっとも、我々がこのワードを選ぶ時に国内の他サービスを参考にしなかったことは事実であっても、他の誰もそれを言っていないという裏をとっていたわけではありませんし、すでに海外では使われていた表現であり、一般的な単語でもあります。ですので、我々が元祖だ!ほかは真似したんだ!などと主張するつもりはありませんし、個人的にもそう堅く信じているということもありません。はっきり言えばそこはどうでも良いのです。
重要なことは、我々はECのプラットフォーム化には、特に国内ではかなり早い段階から取り組んでいた、という事実です。
そして、Lexicaは、「プラットフォーム」という言葉が流行っているからそう名乗っているのではなく、設計段階から、パッケージではなくプラットフォームとしてのソフトウェアアーキテクチャーを追求し、その呼び名に相応しい特性を備えているということは胸を張って主張させていただきたいと思います。
ですので皆様、本当にプラットフォームと呼ぶべきECシステムを構築したいとお考えであれば、ぜひ一度、Lexicaをご検討いただければ幸いです!